プロ・アマ問わず、記念品のオリジナル制作において、できる事・できない事をしっかりと把握することが、とっても大切です。
今回は、オリジナル制作において、どんな部分を重要視すれば、オリジナルの記念品が出来上がるのか?記念品ストアーのアドバイスとなります。
目次
【第1ポイント】自分の能力で間に合うのか?
オリジナルの記念品制作においては、時間との勝負になります。
余裕をもって対応していても、自分の知らない状況で、どんどん遅延します。また、都度ごとに決める時間のタイミングもあり、納期は決定しているのに、スタートが決まっていないケースが多々あります。特にイベント関連におけるオリジナル記念品制作は、その他の業務と比較すると、後回しにされるケースが多く、結果として、ギリギリになります。
・商品確保が重要
どんな状況でも、まず大切なのが、商品確保になります。
オリジナル制作の場合は部材確保となります。
同じ記念品をイベントで使うのは「あなたの会社」だけではなく、数多くの企業が参加しているわけであり、争奪戦となっています。
このため、企画やマーケティングをしている間に、他社が違うイベントで使用するため、バンとなくなってしまうことが良くありますので、注意が必要なんです。
調査した時にはすでに遅く、取り返しがつかない状況になることがあります。
・過去の事例が重要
オリジナル記念品制作を安心してスタートするためには、過去の実績がどれだけあるのか知っておくことが大切です。これは販売側もお客様も両方を刺します。
過去の実績が沢山ある会社は、細かいトラブルが発生しても、素早く対処できるのです。
これが経験が浅いと、何をどうすればいいのか分からなく、非常に大変な事態となります。
【第2ポイント】予算は確保できているのか?
オリジナル制作において、トラブルはつきものです。それに対処するためには、それなりにお金が必要になるケースが多々あります。
このため、300万円のオリジナル記念品制作なら、400万円まで何かあった場合、対処できるのかどうかなど、知っておくことが必要になります。
・少し余裕があるのか?
結論からいえば、10%くらいは予備があるかどうか聞きましょう。
もし、無い場合は、どちらかが負担して対応するしかなく、けっこうシビアな形になります。100万円の案件なら、10万円くらいは余裕をもって取れるくらいのノウハウや関係がないと、非常につらいと思います。
ギリギリでオリジナル制作をしていると、どこかで「ひずみ」が出てきて、逆にいいかげんに制作する可能性も否定できません。手を抜くことでしか利益を出すことが出来ないと判断した場合、決定的に後で後悔しますので、余裕がある場合と、無い場合が重要になります。
・決定権があるのか
予算の対応の仕方で、もっとも重要であるのは、お互いに決定者である点です。
このため、決定者でない場合は、決定者を見つけて、その方のみと仕事をしましょう。
これはお互い様で、もし、自分が決定者でないのであれば、辞退することも検討するくらい、しっかりとした心構えが必要になります。
ビジネスの仕事なので、100%成功しなければいけません。
このため、子供の遊びではないので、決定者同士が対応しないと、いざ!という時に非常にマイナス行動となり、後手後手になり、修復不可能となります。
【第3ポイント】納期は間に合うのか?
これは依頼する側には全く関係がありませんが、それでも重要事項です。
お互いに信頼関係もありますし、依頼する側も「イベントの成功」がかかっていますので、とっても重要なんです。
この件をいいかげんに対応して、裁判沙汰になるケースも多々あります。この部分をいい加減にする担当者であれば、まったく仕事が出来ないと判断していいでしょう。
・逆算して考えているのか?
納期の逆算は、オリジナル制作の上で重要です。スケジュール管理は、よく言われるのですが「○日までに回答がないと間に合いません」というのが多いのはこのタイプです。
ですから、納期スケジュールについては、常に余裕をもって対策しなければいけないのですが、決定者が決めない事も多くあるため、このような逆算方法を取ります。
漫画家さんの締め切りと似たようなものかもしれません。
・自然災害対応はできているのか?
納期を遅らせる場合、けっこう最後の最後で遅れるのが自然災害による遅延です。これはオリジナル記念品を制作した事が何回もある担当者なら、1・2度経験します。
特に台風による出港の遅れなどは「ある・ある」です。最後の最後でイベントに間に合わないというのでは、泣くに泣けない状況になります。
つまり、このように遅延することは日常でありますので余裕をもって対応したいのが現実だと思ったほうがいいでしょう。
【第4ポイント】サンプル制作のコツ
オリジナル記念品制作において、オーダーメイドで対応しているため、どうしても1個実物のサンプル制作が必ず要求されます。また、そして、それは通常の工程の中に入ります。
こうした中、サンプル制作をスムーズに行かせるためには、どのような工夫が必要かお伝えします。
・過去の実例で評価
サンプル制作の「力量」としては、過去に制作した実物が多ければ多いほど、サンプルでの試作のトラブルを回避できます。ですから、どれだけ無茶を言っても対処できたかのノウハウと実績が重要です。
また、提案に対して「更なる良い提案力」がある所は、安心して仕事を進めることができます。大抵、1つの試作に対して、2種類以上の「余計なおっせかい」ができる所は、非常に過去の経験から、トラブル回避が上手です。
・無料では出来ない
試作のサンプル制作のほとんどは「無料」という形で1回分だけ「込み」となっています。このため、あまり真剣にサンプル制作をしないで進めてしますケースが多いです。
どういうことかといえば、本来なら悩んで・悩んで制作するはずの対応が、思いつきで制作をしてしまう場合が多く、「まずは1回制作してみましょう」という感じになってしますことです。このため、結局2度・3度と制作し、時間もコストを余計にかかります。
ですから、サンプルは無料ではないと初めから価格提案すると、また同じ行為をした場合に、同じコストがお客様負担になるという点をうまく活用したほうがいいのです。
【第5ポイント】書類はチェックしているか?
基本は見積書ですが、その中にお客様に伝えたい件が、口頭ではなく書面で残っているかどうかです。けっこう大切な部分でありますので、この点についてお伝えします。
・後でのトラブル対策
トラブルになった場合、お互いに責任の擦り付け合いをします。これは仕方がありません。しかし、このトラブルにも特効薬があります。それが書面による確認です。
特に「こうしたトラブルになった場合、誰がどの程度負担するのか?」という点については、しっかりと口頭ではなく書面で残すと、効果的であり、しっかりと対応します。
しかし、日本人的にいえば、「いわなくてもわかるでしょう」という習慣がありますので、この結果、書面で残さないパターンも多いのも事実なんです。
ですから、トラブルになります。
後でトラブルになるタイプは、常日頃からいいかげんですので、トラブルになります。ですから、いいずらい点もしっかりと伝えるように努力した組織や担当者しか、オリジナル制作ができないと思ったほうがいいでしょう。
・担当者は忘れるもの
どんなに優秀な方でも、口頭だけでは後で大きく問題が起きる可能性があります。その中で「あ!忙しくて忘れていた」というのは、よくあることなので、これが小さいミスならいいのですが、後で大きなミスになった場合、書面で工程管理表などあれば、しっかりと分担責任があるため、トラブルになりずらいのです。
【第6ポイント】チェック工程は2重・3重か?
オリジナル制作の過程において、とっても重要な部分があります。それが「経験値」です。この経験値があるればあるほど、リスク管理ができます。この理由についてお伝えします。
・無駄だと思うほど慎重に
「失敗は後からみれば必然である」
何度も・何度もオリジナル記念品の制作をして、あ!という内容の失敗をすると、本当に慎重に慎重にしても、必ず失敗をします。特に経験値が低いと、初めての失敗になるため、取り返しがつきません。しかし、過去に似たような失敗であれば、リカバーが容易になります。
経験があっても大変な失敗からのリカバーは、だからこそ、経験がどれだけあるかにかかります。失敗の芽を摘む行為がどれだけできるかで、成功の確率がぐーんと上がります。
・勘違いしやすい現場
どうして失敗が生まれるのかは、単純であります。「勘違い」という慣れから、確認作業がおろそかになります。特に経験からすれば、勘違いしやすい担当者は何度も勘違いします。ですから、口頭での対応ではなく、書面で確認し、何度も確認して、それが確認作業として対応したほうがいいでしょう。
1度程度の確認の場合、確認していないとおもったほうがいいと思います。
それほど、自分の能力に関係なく、全く違う部分で失敗をします。
・工場は常に満杯に
失敗する原因を後から分析すると、「忙しい」というキーワードが必ずあります。
忙しいから対応しない結果、更に忙しくなる失敗の温床ができるのです。
ですから、プロであるなら、常に忙しくてもオリジナル工程の中に、確認作業の項目をチェックする体制を構築しておくべきだと思います。
【第7ポイント】支払いは大丈夫か?
日本人的には、けっこういいかげんいしてします事。それが支払いについてです。
オリジナル記念品を制作する過程で、まだまだ先の納品であるため、煮詰めない部分がありますが、すんなりと納品できるのは5割で、残りの5割は問題が発生して、支払いが滞る場合があります。この件について。
・お客様だからといって遠慮しない
経験からいえば、支払いについては、ハッキリと「罰則」を設けることが必要です。
お客様に対して、まだ納品もしていないのに、支払いミスの罰則とは、おだやかではありませんが、これを躊躇して大きなトラブルになることもあります。
ともかく、自分の責任の範囲を超える部分がありましたら、罰則部分をしっかりと対峙して交渉するのがビジネスです。
これはお客様側にとっても、「そこまで真剣」となりますので、けっして無駄な行為ではありませんし、逆にそこまでいうのであれば、逃げることができないので、こちら側も失敗が許されない罰則となるからです。
ともかく「本音」で言う関係にしておきましょう。
・書面に残し対応
支払いについては、担当者レベルではなく「会社レベル」で拘束するため、必ず書面を取り交わして見ましょう。時間がかかってもいいので、公式の書面が必要です。
何年何月何日にいくら支払う という書面です。
オリジナルの場合は納期がズレる場合がありますが、それでも書面に残しておかないと、本当に後からいいかげんいになります。最悪の場合、交渉ができなくなります。
どういう事かといえば、こうした書面が出ない・できないという場面です。つまり、ハッキリといえば支払う事ができないという事です。
これは本当に恐ろしいことであります。オリジナルの記念品制作をしていて、支払いができないという場面に遭遇すると、頭が真っ白になります。
ですから、早い段階で、書面による基本的な支払い条件等をつめておくと、後のビジネスがスムーズにいきます。
【第8ポイント】不良品対策とは
オリジナル記念品制作において、どれを不良品扱いにするのかは、けっこう重要度が高い部分であると思います。更に、想定外の不良品認定もありますので、こうした経験が生かされる部分であります。
過去に何度か不良品扱いのノウハウがないと、非常に難しい局面になると思います。このため、どんな不良品認定があるのかをお伝えします。
・1%はあると思って想定
まず、不良品ですが、工業製品のような部品ではないので、どの程度のパーセンテージがあるのかを知っておくことが重要です。
結論から言えば「1%」と想定したほうがいいでしょう。非常に多いと思いますが、オリジナル記念品制作におちて、1%ではなく4%になることもしばしばあります。よって、少ないようにみえて、多い場合もあり、これこそが、どのパターンになるのか?経験から対応するしかないのです。
ですから、最初から1%あると想定して行動するのがよいです。もちろん、1%もないのですが、オリジナル制作の場合、後から追加することができずらいので、半分の0.5%は不良品認定していたほうがいいかもしれません。
・配送中に事故は多い
一番多いパターンがあります。これが配送中のトラブルです。
最近では人手不足による佐川急便やクロネコヤマトなど、配送ミス・手荒い対応による破損など、日常的になっているパターンがあります。わざとしているのではない分、組織的な問題もありますので、逆にやっかいな部分があるわけです。
「絶対安全」
という形で任せていたら、結果として、最後の最後で破損して、不良品レベルが高くなり、オリジナル記念品の好印象が悪印象になるケースは多々あります。
このため、しっかりとした対応と、必ず配送中に事故・事件が起きると判断してください。
【第9ポイント】包装・のしは必要か?
オリジナルの記念品製作おいて、ギフト扱いの商品は多くあります。そして、紙包装・のし紙印刷など、贈答品・ギフト品対応をする場合があります。
実際、大手の場合はあまりありませんが、創業記念や上場記念、パーティーなどのレセプションなどの豪華にみせる場合などは、オリジナル製作でも、ある場合があります。
この点について、少し説明しておきます。
・無駄な経費かどうか判断
紙包装・のし巻き印刷対応は、安くすることが不可能です。
ですから、基本としては、無駄な経費として判断し、どうしても必要な場合を除いて、対応する形にするのが良いと判断しています。理由としては、手間隙が意外とかかり、名入れ印刷と同等の時間が必要であるからです。
簡単にできると思う担当者も多いのですが、全くの間違いであり、それなりに時間がかかる=コストもかかると判断して対応したほうがいいでしょう。
このように時間もコストをかかるタイプなので、しっかりとした計画性を持って対応してみましょう。
【第10ポイント】追加対応が出来るのか?
オリジナルグッズ製作をして納品。イベントも成功して、ほっと一息している状態ですが、これで終わりではありません。
・イベントが成功すれば追加が多い案件
成功したので、更に追加の生産依頼がある可能性が高まります。そこまで練ってください。
もちろん、追加した場合の見積もりなどは、すでに提案していると思いますが、更に確認して追加した場合の
・納期
・金額
を、しっかりと伝えることが必要です。追加の場合は急に問い合わせがあるからです。
このように、実はオリジナル記念品製作では、沢山の問題と解決があります。納品したからOKではなく、常に1歩先・半歩先を読んで対応しなければいけないのです。
【第11ポイント】昨年のリピートをうまく活用
やっぱり依頼する側も、依頼される側も、1度、大切なお客様・発注側になると、あとは話がスムーズになりますし、無理をどのレベルで対応すればいいのかわかります。
成功するためには、常に「三方良し」を狙わないと、自分だけ得をしている場合は、長い付き合いになればなるほど、リターンが必ず帰ってきます。その点についてお伝えします。
・ロゴデータなどは使いまわし
オリジナルの製作の場合、大抵は同じ内容のイベントが多くなりますので、ロゴマーク・キャラクターマークなどは使いまわしができます。この部分は相当楽になりますので、大きな付加価値の差になります。
例えば当店の場合などは、サンプルを製作する場合、無料で前デザインを活用してイメージを実物で対応します。これはとっても重要度が高く、担当者からすれば、提案の手間部分が大きく削減できるわけです。
また、これを1度繰り返すと、ほぼ担当者は当たり前の如く要求してきますので、これがどれだけ楽なのかが図れるわけです。
・担当者と仲良くなっているか?
リピートになる場合、初回の取引の印象が重要です。
特に失敗すると2回目はなく、成功するのが当たり前であり、成功も付加価値が高いレベルで成功していないといけません。
更に言えば、人間同士の取引なので、お互いに担当者レベルで仲良くなっており、三方良しになっていると、お互いを認め合いながら、ある程度、うまく妥協します。
オリジナル製作の場合は、必ず同じ担当者同士で対応するのが礼儀であります。
・担当者はあなた1社を相手にしていない
ただし、よくあることですが、担当者のレベルにより、単なる右から左程度の内容と、本当に印象深く残っている場合もあります。
その差についてですが、やはり金額の多さが重要であり、100万円単位か、年間に依頼する件数かに比例すると思います。
この差により、担当者を覚えているかいないかで分かれます。
・1言えば3理解できる安心さを活用
一生懸命に過去にオリジナル製作で仕事をすれば、どんな事でも担当者レベルで血肉になっていますので、1を言えば3程度は、そこから応用ができる流れになっています。
ですから、こうしたお互いのレベルのノウハウを重要視して、理解できる部分を共有化して対応するのが一番良い流れだと思います。
【第12ポイント】勘違いしやすい点を現物確認で
最近の事例になりますが、何度確認しても駄目な案件があり、結局サンプルを試作して、それでも駄目であった点がありました。とうとう、お客様に手書きでいいので、書いてもらったら、すんなりと理解できた点についてお伝えします。
・メールやFAXや画像では限界
今回の教訓は、メールによる文字の確認、手軽によるFAXでの確認、撮影による画像の確認など、何十にもチェックされた状態であるのにも関わらず、結果としてスタートできませんでした。
更にいえば、最終手段として現物確認をしても、それでも勘違いが発生しており、仕方がなくお客様自体の確認作業を行いました。結果として、とっても単純な事を注意していたのですが、そのちょっとした小さい件で数週間も、また、費用もかかり先に進めなかったわけです。
・オリジナル製作はお客様と共に創る
今回の反省点としては、こちらがプロであっても、オリジナル製作の過程において、お客様と一緒に「共同作業」として作り上げることが大切だと思いました。
こちらもプロなので、絶対にミスもしないし、わからないことないと思ったのですが、結果として、理解不足であったために、今回のような件があるわけです。
ですから、しっかりと共同作業ができる仕組みつくりをしないといけないと判断しました。