ラスベガス・サンズとは、統合型リゾートの大手であり、最近ではドナルド・トランプ氏の大統領選挙期間での最大の援助企業として有名。
日本においては、2017年1月に、世界で最初にトランプ氏と、世界の首脳として会談した日本の安部総理に、「日本の統合型リゾート (IR) 推進法案の法案を通してカジノが通るように」と説得され、今まで5年間できなかったことが、たった2週間で法案が成立。
これがラスベガス・サンズ効果と言え、アメリカ大統領の影の実力者としての影響を、世界に示した事になった。そんなラスベガス・サンズとは、何かをお伝えします。
日本への大きな影響は?
日本にカジノを!
日本人が望んでいないけど、アメリカ人のアデルソン創業者が望みました。なぜなら、彼は「カジノ王」と呼ばれ、ネバダ州ラスベガスに本社があるラスベガス・サンズの創業者だからです。当たり前ですが、日本にカジノがあれば、サンズは当然、関与してきます。
こうした経緯から、日本にカジノを!と願っているわけです。
来月1月20日にトランプ氏が就任。
1週間後の27日に安部首相はトランプ大統領と会談へ。安倍首相、トランプ氏と1月下旬会談へ :日本経済新聞 https://t.co/vKbXQ3nXC1
— Chieko Nagayama (@RibbonChieko) December 18, 2016
そんな中、安部総理がトランプと会談を持つ事が決まり、トランプの大統領選挙期間の最大の支援者であるサンズは、この1月下旬の会談で、
「安部に日本のカジノを早期にスタートさせる」
という事をトランプに強烈に指示したわけです。
結果、アメリカの「ポチ」である日本政府は、しっかりとカジノ法案を早期に決定する約束をされ、トランプから絶大な「使えるやつ」として評価されたわけです。
上の写真は、安部総理が日本との交渉を優位に進める為に会談しただけではなく、あくまでもトランプ陣営からすれば、「日本にカジノを!」が最大の会談の理由なのです。
この結果、ラスベガス・サンズは、世界で投資する国としてジャパンが今の最高の投資先となりました。2020年の東京オリンピックとも兼ねない熱い事業となります。
統合型リゾートとは
統合型リゾート(IR:インテグレーテッド・リゾート)とは、カジノだけではなく、全体の中として「リゾート」がメインで、ひとつとしてカジノがあるスタイルです。
観光場所として、ラスベガスが良い事例であり、エンターテイメント会場、国際会議所、国際展示場、ホテル、グルメ、映画のシネコン、ミュージカル、そして分譲高級マンションなど、ひとつの都市として、魅力ある街を造るものです。
・シンガポールの成功事例
こうした中、ラスベガス・サンズが計画した、シンガポールのマリーナベイ・サンズは非常に有名であり、大成功を収めた統合型リゾートして有名です。
・マリーナベイ・サンズ – シンガポール随一のスケールを誇る 5 つ星ホテル – 公式サイト
今やシンガポールを象徴する場所であり、屋上のインフィ二ティプールは有名です。もちろん、50軒相当のカジノから、高級ブランド品のショップ、一流シェフの有名レストランなどが沢山あります。
こうした事から、単なるカジノ王としてのラスベガス・サンズではなく、今では統合型リゾート運営のエキスパートとしての企業価値のほうが高いと言えます。
IR法とカジノ
日本のカジノが本格的に現実となる今。2020年の東京オリンピックも控え、また、訪日観光客対象として魅力ある国作りがメインとなっています。
こうした中、やはり、競馬・パチンコなどのギャンブル依存症との兼ね合いから、否定的な面もありますが、ガジノ自体の透明性をしっかりとすれば、問題ないと判断できるわけです。
今回は、どうしてIR法が必要なのかをお伝えします。
・IR法(統合型リゾート法)とは
現状では正式な法案ではなく、統合リゾート=IRといい、IR区域整備推進本部が内閣を元に地方自治体と連携しながら実際のカジノ運営業者と連携しながら対応します。
内閣府がカジノ管理委員会を発足させ、
・運営規則の制定(ギャンブル依存対策の法案)
・運営業者の審査(免許制)
・監視・監督(運営管理)
・犯罪の摘発(警察)
を行い、許認可を与え免許制とし、公募・申請が通った中で、初めてカジノが出来上がる仕組みとなっています。
このため、2020年を開始時期とした場合には、素早い対応と対策が必須になります。
・ギャンブル依存症とは
もともと日本には、公的な部分として
・パチンコ
・競馬、競輪
などの国が管理しているものがあり、特にパチンコ依存症などは社会問題となっています。こうした中、カジノが出来上がれば、こうしたパチンコや競馬をしている人達の多くが、同じようにギャンブル依存症予備軍となるため、大きな不安となってます。
こうした事が懸念されるため、IR法の中に、ギャンブル依存症にならないように、規制をかける法案が必要不可欠であると言われている。
また、その他にも、犯罪の温床やマネーロンダリングなども問題として上がっています。
リゾートと雇用
ギャンブル依存症のような負の面もありますが、全てマイナスではありません。特にラスベガス・サンズのような統合型リゾート運営をメインとした所では、全く違う発想でカジノを見ています。
・カジノは全く儲からない
ラスベガス・サンズをして「カジノはもう儲かるものではない」と言わしめています。これはカジノだけの単独で儲ける仕組みは、もう時代遅れなんです。統合型と言われるように、リゾート地域を新しく建設する形で、ショッピングモール・国際展示場、ホテル、レストランなど、複合施設を運営するのがメインとなっています。
ですから、カジノでの儲けより、その他周辺の事業のほうが何倍も重要であり、そこに働く人達の新規雇用の経済効果のほうが高いと言われています。
・ディズニーランドが統合リゾートの一例
そうは言ってもわかりずらいため、日本では東京ディズニーランドがあります。ホテルもあり、ショッピングもあり、そして、エンターテイメントもあり、最後にアトラクションの遊園地があります。
遊園地が目的ではなく、そこの雰囲気の空間を楽しむ形、まさにリゾートのような空間こそ大切なのです。東京ディズニーランド一つでも、大きな経済効果と雇用を生んでいます。
創業者 シェルドン・アデルソン
ラスベガス・サンズは、創業者「シェルドン・アデルソン」によって運営さている企業です。
最近では、世界の金持ちの第14位まで来るだけの実力であり百万長者となっています。
・米長者番付「フォーブス400」発表 IT業界躍進で上位に変動
資産は3兆円(318億ドル)近くあります。
・敬虔なユダヤ人のユダヤ教
ただし、彼はユダヤ人でため、イスラエルへの愛着は高く、シオニストとして有名。
シオニズムとは、イスラエルの復興文化活動であり、ユダヤ教のイスラエルの地を再建しようとする流れです。
ですから、エルサレムのアラブ民族とは犬猿の仲であります。単にカジノ王というだけではなく、国際社会での大きな紛争問題にも関係しており、特に、次期アメリカ大統領のトランプとの相性も良く、強いアメリカ=強いユダヤ社会となる事も秘めています。
・社長CEO ジョージ・タナシェヴィッチ
現在の代表は、こちらのジョージさんである。不動産ノウハウを元にシンガポールでの成功を導き、マリーナ・ベイ・サンズを統括し、グローバルデブロプメントの責任者でもある。
、シンガポール・
マリーナベイでのMarina Bay Sands開発計画では中心的役割を担う。現在、 社長兼CEOとしてMarina Bay Sandsの業務を統括するとともに、Las Vegas Sandsのグローバルデベロップメント責任者を務める。
こうした優秀な方が日本のカジノ運営を指導します。
シンガポールでの現地社長もいるわけであり、日本で本格化すれば、日本専属のジャンパン・サンズのCEOが生まれるでしょう。
ラスベガス・サンズとは
このようにラスベガス・サンズは先見の明があり、カジノでは世界NO1と言える世界的な企業です。しかし、日本ではほとんど知られておらず、海外でカジノの経験をした人のみ知っている程度です。
統合型リゾートという新しいコンセプトで、今ではカジノのみでは利益を出すことは不可能な事業モデルから、新しいリゾートコンセプトで黒字化を達成している会社になります。
・MICEビジネス運営におけるリーディングカンパニー
MICE(マイス)とは、
・Meeting(会議・セミナー)
・Incentive tour(招待旅行)
・ Convention (国際会議)、
・Exhibition(展示会・見本市)
の頭文字をとった造語です。ラスベガスが具体的な代表事例であり、成功の事例になっています。まさにラスベガス・サンズそのものです。
MICEは、非常に経済効果が高く、ラスベガスやシンガポールのように都市のイメージアップに貢献します。更に旅行業にも関連性が高く、収益性が良い理由になっています。
日本では東京ビックサイトがありますが、単なる展示会で、そこではリゾートの要素は皆無です。これにエンターテイメメントと旅行をパッケージ化させたのが、サンズの手腕と言えます。
・ボーイング477専用機
ユニークなのが、専用の飛行機を所有している点です。
経営陣の渡航などにも使われますが、単に輸送自体でも使っており、中国のベネチアン・マカオでは、ボーイング747型機を90機ができる飛行場なども建設しました。
このように都市そのものをコーディネイトするような形で、単なるカジノ屋ではないプロデュース力は絶大です。
・株価の推移
ラスベガス・サンズの株価は、ニューヨーク取引所が管理しています。
2012年7月には最安値の36ドルでしたが、2年後の2014年には87ドルまで行きました。
しかし、そこが最高点で2016年には右下がりとなり、1月には39ドルまでになりました。2017年1月では55ドル程度です。
大型の投資がシンガポール・マカオとなったのですが、次がなく、日本は残された金鉱となっている現状になります。日本が失敗すれば、また株価は40ドル近くまで下がるでしょうが、成功すれば、70ドル近くまで上がると予想されます
ラスベガス・サンズニュース
ラスベガス・サンズに関連したユニークな情報をピックアップしてお伝えします。
・ハードロック・インターナショナルジャパンにサンズ元社員が
サンズの競争相手でもあるハードロック。日本法人の設立にあたり、ハードロック・ジャパンの責任者として、エドワードトレーシーを任命。
エドワードは2011年にサンズ・チャイナの社長として任命。元サンズでの辣腕が評価されているわけだ。統合型リゾートの接客・カジノ施設運営など注目される。
・マカオ「パリジャン」で20億円1人の女性が
マカオにオープンしたパリジャンにて信じられない事が。1人の女性のギャンブル運が強く、なんと数日に渡り勝ち続けて、約20億円相当の賞金を手に入れた。
このため、決算報告のため開示された内容が、非常にカジノ経営にとってマイナスとなった話題である。
その他、日本のカジノ情報
IR法が昨年の12月に通過したとはいえ、まだまだ日本国内は未知数の部分。
そんな日本のカジノ情報で、面白いものをピックアップします。
・ハード・ロック・カフェグループが日本を視野に
ハード・ロック・カフェ、日本のカジノ運営で40─60%出資視野 ロイター
IR法が解禁された時点で、日本の運営会社よりも、ノウハウも経験も人材もある外資系企業が沢山進出してきます。
その意味では、単なる「田舎者の日本人」では、到底、太刀打ちできない可能性が高く、結果として、インターネット業界のアップルやグーグルやアマゾンのようになる可能性が高くなっています。
・日本ガジノ学院
日本カジノ学院が、東京ビックサイトで開催されているインバウンドビジネス総合展に出展していました。
ユニークなのが、海外のカジノを見てもわかるように、カジノテーブルは1000台設置すれば、ディーラーだけで3000人位が必要なわけです。それが東京・横浜・大阪となると、最低でも1万人は必要です。
こうした点から、ハードよりもソフトの観光立国の部分が成功の鍵であるという点については、非常に重要な視点だと思います。
・闘会議2017でのルーレット
日本では、カジノはまだできませんが、遊びという点では可能です。
2017年2月11日からの2日間。幕張メッセにてゲームの祭典である闘会議2017が開催されました。その中で「まるなげ広場」というユーザー参加型のゲーム広場があり、カジノ風のステージがありました。
遊びですから、ディーラーもプロでもなく、手つきも当然にぎこちがないわけです。
また、参加している人も、ルールすら知らない人も大勢いて、それで楽しめるのか?という点が興味があり見ていました。
実際の感想として、その場にいて分かったことなんですが、お客様もしっかりと訓練しないと、カジノ自体が成立しない日本人というのがわかりました。
これは闘会議2017だからこそ、非常に良い遊びの場であり、やっぱり日本人には、まだまだ早い感じがありましたね。
いくら場ができても「ソフト」がダメでは無理だという点は、すごく参考になりました。