マザウェイズ・ジャパンが自己破産。資金回収不能で学ぶチェック

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2019年7月1日。

いつもようにヤフートップページを見ていると、何か知っている会社のような会社名がヤフートピックスに。それも自己破産の情報

・ベビー・子供服販売店「motherways」を全国に98店舗展開、マザウェイズ・ジャパンなど3社が自己破産を申請(帝国データバンク) – Yahoo!ニュース

(検索してください)

調べてみると、「やられた!」となりました。

01

6月に3000個注文。7月末支払いの会社でした

マザウェイズ・ジャパン株式会社様とは、3年前から半年に1回以上注文がある会社です。

ですから、今回で7回目となり、この7回目が回収不能となりました。

このため、計画倒産の取り込み詐欺ではなく、現場では従業員すらもわからない状態だと言えます。ですから、当店のような零細企業であれば、そのチェック力は微々たるもの。

7月1日に倒産するとわかっている状態でもありません。

すでに保全命令が出ているようで、現物回収も不可能です。

・毎回3000個注文。アニマルタオルをお子様へ

こちらが注文書。

いまどきFAXですが、まぁ仕方がありません。面倒であろう。

商品はこちら。アニマルハンカチタオルです。

こちらを来店したお客様に配布していたいのでしょう。

ある程度、全店近くで使う来場用記念品として使う100円以下のイベント品です。

もし、8月に破産したなら、何の損害もありませんでしたが、運悪く注文した翌月の頭に破産では、ほぼ回収は無理な感じです。

売上18万7920円が損失となりました。

経営的には微々たるものですが、零細企業なので大変であります。

02

どうして倒産した!?毎年、売上減が原因

さて、さっそく見てみましょう

倒産速報  株式会社 帝国データバンク[TDB]

負債額は72憶円

かなり大型倒産と言えます。

マザウェイズ・ジャパン株式会社以外にも、株式会社根来、ネイバーズ株式会社の3社が含まれ、弁護士は大阪の若林氏。6月30日に大阪地裁へ自己破産を申請して、7月1日保全管理命令を受けたため、ほぼ回収不能状態です。

負債はマザウェイズ・ジャパンが59億円、根来が13億円、ネイバーズが5千万円、3社合計で約72億円となります。

・毎年極端な売り上げ減。倒産しても仕方がない状態

まず、結論として、大幅な売り上げ減となっている。

・1992年度:年商245億円

・2019年度:年商37円億

実質6分の1まで下がっている

景気の後退もありますが、この15年間で6分の1のスペースで減少しておれば、倒産の危機となるのは当然の流れです。

・資金繰りが急速に悪化の判断とは

帝国データバンクの分析となります。

店舗を増やすなど積極的な事業拡大を図っていたものの、少子化に伴う同業他社との競争激化により店舗売上げは低迷したこと加え、販売員の確保や在庫負担の増加などにより収益面も低調に推移し、不採算店舗が増加していた。さらに新規出店に伴う費用を金融機関からの借入金で賄っていたことで、金融債務が増大していた。昨年より資金調達に苦戦を強いられるなか、昨年の暖冬の影響により秋冬物の売上げが大幅に低下したことで資金繰りが急速に悪化。このため、売り上げ拡大や経費削減などに努めていたものの、ここへ来て先行きの見通しが立たず、今回の措置となった。

少子高齢化の影響で、子供服の販売が苦戦。

このため、売り上げが低迷するのは当然としても、競争激化と季節変動。

そして、何よりも自己資金ではなく、金融機関からの借金のため運転資金がショート。

負債が負債を生み、自己破産となった

新規出店の費用を銀行から借りて運転資金。これでは売り上げ減となれば破産します。

03

子供服小売店「motherways」とは

記念品ストアーでは、ネット通販の企業向けであります。

ある程度は企業審査し、右から左なので、それほど数多くある会社について詳しく知りません。そのため、今回、再度見てみました。

見てみ見ると、店舗の中に「川越アトレマルヒロ店(埼玉県川越市脇田町105番地 アトレマルヒロ 5階)」もあり、これだけでも、企業レベルでは高いです。

マザウェイズ株式会社オフィシャルサイト ショップリスト

普通に考えれば、売掛は全く問題ないと言えるでしょう

・マザウェイズ・ジャパン(株)の現状

では、再度、帝国データバンクより。

マザウェイズ・ジャパン(株)は、1991年(平成3年)11月に設立した子供服小売業者。「motherways」の店舗名でシャツやワンピース、肌着、靴下、靴などベビー用品や子供服、雑貨の小売を手掛けていた。全て自社オリジナルブランド「motherways」商品で統一し、アイテム数は常に4000種以上を取り揃え、子育て世代に相応の知名度を獲得。衣料品の製造は100%中国の製造業者に委託し、リーズナブルな価格帯のものが大半を占めていた。店舗は、首都圏を中心に全国のショッピングセンターなどに98店舗を展開し、2019年1月期には年売上高約83億円を計上していた。

となります。

【子供服】マザウェイズ オフィシャルサイト

・根来豊氏代表とは

次に経営者の根来氏です。

こちらに情報がありました。

・マザウェイズ(株) 代表取締役 根来 豊氏  商業施設新聞

根来(ねごろ)さんとは珍しい。

ちょっと不確実な情報ですが、このアニマルハンカチタオルを販売している輸入商社が1度、根来という方に騙された!と言っており、資本金が1000万円なら、あえて計画倒産された事も考えらるとのこと

ただ、その輸入商社も年商80億円ありますが、資本金は1000万円なので、これはイマイチであるとの事。

・ユーザーには愛されていた子供服ブランド

さて、こちらは業者視点でありますが、買っているユーザーはどうでしょうか?

見てみると、非常に好評であり、もったいない感じであります。

娘も息子もお世話になってる。
派手なのも多いけど、時折可愛いらしい服もあり、ちょくちょくセールも行ってたからショックー。
水着・浴衣等までカバーしてたから重宝してたんだけどな。
がんばって再建してほしいな。

歳の離れた妹に、妹が好きなピンク色でお姫様みたいなワンピースをこちらで買ったことがあります。私にとっては初めての妹で、自分の子どももおらず、ついでに薄給で、何を買ってあげたらいいかわからなかったのですが、喜んで着てくれたことが嬉しかったです。破産は残念ですが、想い出をありがとうございます。

04

マザウェイズ・ジャパンの破産から学んだ事

取引先からは、

「株式会社スリーズコムは、いつ潰れてもおかしくない企業」

と、言われづづけて18年目。

その意味では、いつでも破産する危険性がありますが、当店が破産する前に、当店の何百倍もする会社が倒産しないでほしいといつも思う

本当に困ります。

今回のケースは、税金・銀行が全て持っていくでしょう。

再建や資金援助、その他買収があっても、当店に全額振り込まれる可能性はゼロです。

・毎年売り上げ減となっている企業様は「売掛不可」となります

今回は高い勉強料となりました。

そして、その結果、当店がやるべき事は

毎年、売り上げ減となっている企業様への売掛は出来ない

という結論となりました。

そんな偉そうな事を、零細企業の1人運営の会社が!と言われる担当者もいますが、今回のケースをあえて公開したのは、こうした点が「現実」として起きたからです。

・スリーズコムとしては大手に言いやすくなる

彼我の企業レベルの差を考えれば、とっても言いにくく伝えづらい内容です。

しかし、どんな大手でも、売り上げが数十億円の企業様でも、今回の事例をもって、言いやすくなりました。

大手の社員様としては、上司に言いづらく伝えずらいと思います。

こうした場合には、このページを送り、対応措置としてみてもらればと思います。

・新規取引企業欄に直近3年間の年商記入必須へ

こうした流れから、今後は売掛を希望する場合については、お手数ですが、直近の3年間の年商が必須となり、審査の上での売掛対応となります

「こんなの面倒だ!」

「経営ではなく、単なるサラリーマンの自分には出来ない」

となった場合については、売掛は不可となります

お手数ですが、納品後の即金か前金のみとなります。

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