東京モーターショーの企画・運営をする主催者の「やり方」に、他の展示会ノウハウとは全く一線を画す方法と成功事例があった。
結論から言えば、
・製作バッグの「禁止令」
・製作グッズは「販売する」(無料ではだめ)
という2大目標を掲げていました。
プロの目から見れば、「本当に大丈夫?」となるのですが、来場者からみれば、
「これは新しいしお買い得」という心理についても、分析して書きます。
来場用記念品は「買う」しかないという手法
東京ビックサイトにて開催された東京モーターショー。12日間という長いスタイルなので、通常の詰め込み型のタイプと比較して、少し特徴的でありますが、それでも一般的な展示会です。
出展企業があり、その中で展示をメインとして展開します。東京モーターショーの場合、出展数が他の展示会と比較して著しく少ないのですが、だからこそ、全体をうまくコントロールして、新しいタイプの展示会手法をしていました。
その中身としては、全ての記念品は無料で出さない!出せない!という規定ルールです。
これは非常に珍しく、全ての記念品は、無料ではなく、どんな小さいものでも、すべて「購入」する方法です。
このため、来場者の一般の方は必然的に、
「これを1000円で買う」というのが当たり前になっており、だからこそ、プレミアム感があっという間になっています。
これはいかにも通常の展示会とは異質であります。
無料でもらえる来場用記念品が、全て有料なのです。来場チケットも無料ではなく有料なので、こうした点も敷居を低くしているでしょう。
バッグは有料販売のみ配布。オフィシャルグッズという強制
来場用記念品が全て有料である。その典型がバッグであります。
写真のように、エコバッグを300円で「限定販売」しています。普通の展示会なら、出展社が無料で、どんどん配布しているものです。
それが、全て有償にて販売。
このため、売れば売るほど黒字になり、販促品の経費削減につながります。
例えば、2万枚製作して、1枚300円なら、600万円の売り上げです。つまり、販促品600万円の売り上げを全て製作グッズ費として計上できるわけですから、多くの展示会では、配布すればするほど赤字ですが、東京モーターショーの場合は、売れば売るほど黒字化します。
こうした点は非常によく、主催社側も、「環境保全のためバッグは用意していないので、ココで買うしかない」という大義名分ができるわけです。多くの展示会では、大きなバッグを何個も肩から抱えて、あちこち動いている方が多いです。
それをコンパクトにするためには、出展社と協力して、バッグを製作しないという、新しい手法で対策したわけです。
これは展示会自体のクオリティを上げる方法としても重要であり、展示会特有の「煩雑さ」をなくす狙いもあるでしょう。
車をスマートに見てもらいたいという流れが出来上がります。
出展社の商品は「プレミアムグッズ」として現地限定販売
東京モーターショーで出展社が、主催社と協力して対応した来場用記念品。
これを更に強化するため、なんと出展企業の記念品を「プレミアム品」として、限定現地発売する方法を採用しています。
これは新しい価値観であり、通常はクイズやアンケートに答えると、豪華な記念品を渡す仕組みなのですが、全く違い、全て有料販売という手法で乗り切ることをメインとしています。・
このため、単なる来場用記念品が販売をすることで、「限定プレミアム品」としての価値になります。
出展各社からすれば、ブースにて来場用記念品をダラダラと配る必要がなく、逆に売れば売るほど、記念品経費の黒字化になりますので、一石二鳥です。更に凄いのが、一般の来場者が、今回のプレミアム品について、喜んでお金を払って記念品を購入している点です。
これは他の展示会では全くありえない手法であり、効果であり価値観です。
こうした点を分析すると、いかに東京モーターショーが優れいてるのか分かります。
2017年6月3日